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2008年8月

2008年8月31日 (日)

佐野元春さん

10年以上、手元にあって、再聴に耐え抜いてきた音楽。
その1。



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sweet16/佐野元春
(他のいくつかのアルバムを代表して)


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この人の音楽を知ったのは15才の夏。


高校三年間を使って、
1時間のアニメーション作品をたった一人で作ろうとしていて(無謀もいいとこ。知らないってことは恐ろしい)、頭の中はそのことでパンパン、残ったキャパは友達とバイクと女の子のことで占められていた。


音楽の入り込む隙なんて無かった。


ある日、同じクラスのヤツが
聞いたことのないフレーズを口ずさんでた。
「何それ?ヘンな歌」と笑った。
そいつがテープを貸してくれた。


 佐野元春/No Damage









佐野元春「NO DAMAGE」。


それでやられた。
虜になった。
ダビングして繰り返し聴いた。
歌詞を全部覚えてしまった。


同じ頃、
学園祭で先輩の撮った実写映画を見た俺は、


アニメーション制作の計画を放り出してバイトバイトバイトしてカメラと映写機を手に入れて所属していた美術部をやめて面白そうなヤツらを集めて映画同好会を立ち上げて部室と部費をゲットして受験を無視して授業をサボって絵コンテと撮影と編集にのめり込んで仲間といっしょに作品を撮りため三年の時の学園祭で上映会をブチかまして開場待ちの人の列が廊下の端までズラッと並んでプログラムを三回まわして三回とも立ち見が出て大トリのサスペンス映画のラストで最前列の女の子たちが肩を寄せ合い悲鳴を上げるのを映写機の後ろで見つめながら「映画の大学に行こう」「映画監督になろう」と本気で思ってしまったのだけれど、


そんな高校生活の間、
佐野さんの音楽はいつも俺のすぐそばにあって、
パワーとインスピレーションを
たくさんたくさん与えてくれた。


大阪の大学に進学して
京都の撮影所に就職して
東京でフリーのADになって
仕事の合間にシナリオを書いて
自分がなりたくて仕方ないものに
全てのエネルギーを注ぎ込んでいた
俺の二十代前半は、
とっても幸運なことに
佐野さんの絶頂期と重なっていた。


そのことに心から感謝している。



VISITORS
「VISITERS」


Cafe Bohemia
「カフェ・ボヘミア」


『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』 限定編集版(Limited Edition)(DVD付)
「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」


「THE CIRCLE」
「SWEET16」
「フルーツ」・・・。


毎年のように発表される佐野さんの新譜は、
時に不安に押しつぶさそうな俺の心に勇気をくれ
時にダラけた俺のケツを力いっぱい蹴り飛ばして、
次のステップに足をかけ、踏み出していく力をくれた。


たくさんのCDを
持っていた時期もあったけれど、
時を経て、今、側にあるのは、
数人のミュージシャンの作った
十数枚のアルバムだけ。
その三割近くが佐野さんのものだ。


最近の佐野さんは高音域の声が出ない。
新曲の中にかつてのようなシャウトはない。


聞いた話だと、
ツアー中に喉を痛め、
それでも観客のために無理をして
声を振り絞ったせいだという。


それが事実なら、
本当に残念だ。


でも、佐野元春らしい、とも思う。


再デビュー中の今、
仕事中に佐野さんの曲を良く聴いている。
そして、十代の終わりから二十代前半にかけての気分

(アスファルトの焼けた夏の道を400ccのバイクに跨り
 フルスロットルのアクセルでブッ飛ばしていくような)

を、強く思い出している。




夢を見た 昨夜のこと
ブルーな夢 But it's all right
電話してほしい 見知らぬ夜
誰かの声がききたい

冷たいニュース 今朝のこと
テーブルの上にはチーズ&ワイン
平和もない 静けさもない
笑い飛ばせるほど無邪気じゃない

いつもほんとに欲しいものが
手に入れられない
あいかわらず今夜も口ずさむのさ
99blues 99blues


誰もいない 地下鉄のプラットホーム
かかえこまれそうなエモーション
彼女のbody 彼女のvoice
去年の夏がなつかしい

愛してる愛してる愛してる
誰もがたやすく口にする
すてきなビジネスのセクシャリティ
街の子供たちは眠れない

いつもほんとに欲しいものが
手に入れられない
あいかわらず今夜も口ずさむのさ
99blues 99blues

全てはmoney この街はfunny
いつも悩ませる
大切なキャッシュカード クレジットカード
永遠に夢は買えない

得意げな顔したこの街のリーダー
シナリオのチェックに忙しい
ユーモアもない 真実もない
フェイクしたスマイルはとても淋しい
フェイクしたスタイルはとても淋しい

いつもほんとに欲しいものが手に入れられない
あいかわらず今夜も口ずさむのさ
99blues 99blues


この街のルール この国のルール
家庭のルール 教室のルール
一つの形じゃ踊れない
このままじゃはみ出してしまいそうさ

夢を見た 昨夜のこと
ブルーな夢 But it's all right
電話してほしい 見知らぬ夜
誰かの声がききたい

いつもほんとに欲しいものが手に入れられない
あいかわらず今夜も口ずさむのさ
99blues 99blues


        99blues /作詞・作曲 佐野元春



佐野さんの作る音楽は、餌じゃない。


そういうものを
できるなら俺も作っていきたい。

あらしのあとのあおぞら

爆撃みたいな雷も
亜熱帯っぽいスコールも
いいかげんもう飽きた。
そう思って寝た。


眠ってるときの空。


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嵐の後の青空。


2008年8月29日 (金)

ディザインド最新話!

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一章第四話(病院ジャック編最終話)、
michao!のwebにて無料公開中です。
リンクにあるので、
良ければ観に行ってみて下さい。

__________________________

ついさっき、
初めて自分の漫画をwebで読んだ。
(プラグインが無くて、
 見れないまま放ったらかしていた)


「早く続きを」のコメントがたくさん・・・
ありがたいやら、情けないやら・・・


楽しみにして下さってる皆さん、
本当にゴメン!
隔週更新目指して精進します!



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              (第二章、第五話)

tsunami

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ポニョの「嵐の海」を見てから、
胸のあたりがずっとこんな感じ。


暗い水がのど元まで
溢れてきてる。
ざわざわ騒ぐ。


外はまた激しいスコール。


すごく大きな雷が落ちた。
妻と猫が飛び起きてきた。


2008年8月25日 (月)

がんがんやって、早くあきてね

っていう歌詞の歌が、
昔あったね。女性ボーカル。
曲名もバンド名も忘れたちゃったけど、
可笑しくてそこだけ覚えている。


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体の中にたっぷり詰まった重い感情を
原稿用紙に叩きつけるようにして絵を描いて、
そうすることが創作として商品として
好ましいと思っていた時期があった。
インパクト重視の表現ですね。


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最近、そういうものに、かなり飽きがきています。
情念の世界に浸っているのは、
ナルシステックで気持ち良いけど、
それだとあんまり高く飛べない。


エロばっかりしていると
耽溺の檻に捕らわれる。
脱出しようと思ったら、
いいだけやって飽きるしかない。


逃げたり捨てたりするよりも、
終わらせたいと思っているものの
ド真ん中に向かって突っ込んでいく。
どんどんどんどん潜っていくと、
釜の底を突き破って
見晴らしのいい場所に出る。
(いちばん底とてっぺんは
 背中合わせにくっついてる)


なので、
がんがん飽きるまで
過剰なことをやってみるつもり。


そしてその表現が
笑っちゃうくらいのものになったらいい。


:タイトルの曲名/
 ハイポジ『身体と歌だけの関係』
 でした。

2008年8月24日 (日)

地下ビール

雨の午後。


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黒ビール。
美味かったっス、馬越社長。


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2008年8月23日 (土)

鏡を抱く

とある掲示板での出来事がきっかけで
立ち上げることになったブログだけど、
書き出すと思いのほか楽しくて
もうけっこうな記事を上げてる。
自分でも意外。
どうやら性に合ってるらしい。


で、また
ああ、と思ったことを書く。



ネットではもちろん現実の世界でも、
不意打ちで誰かから
思わぬアタックを受けることがあって、
それで怒ったり不愉快になる前に
とても驚いてしまうのだけれど、
それは多分その相手が、
自分の分身(半身?)みたいな
ものだからじゃないかと思う。


強い感情を身のうちに宿して、
それを抑圧していたり
気づいてるのに知らんぷりしてると、
思わぬ人や出来事の形で
自分の『影』がやってくる。


「俺はお前だ、よく見ろ」と言う。


エネルギーがどんどん降りてきて
身も心もパンパンなのに
部屋から出られず持て余していた俺に、
あれはふさわしい出来事だった。


本当の意味で、
人は他人を見ることはできない。
見ているつもりで鏡にしてる。
だから人を見て言うことは実はすべて自分のことで、
悪意を込めて放った言葉はぜんぶ自分に刺さるんだ。


名前も無ければ体も無い、
自分と他人の境界線が溶けて重なるネットの世界で、
そういう構造はエスカレートして
やりとりするだけドツボにはまる。


どんなに叩いても影は自分。


だったら痛い思いして、
抱きしめるしかねぇじゃねえか?



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キリコを描いてた頃から
俺はなーんにも変わってない。
ジジイになるまでこのまんま(笑


と、
いうわけでこれからも
ブログを続けていきますね。


2008年8月21日 (木)

ほんのすこしの水

十年以上、手元にあって、再読に耐え抜いてきた本。
その二。

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ほんのすこしの水 岡田史子・著


三十年近く前の話。


日曜日に隣町の本屋に行った。
コミカライズされたアニメの単行本が欲しかったのだ。


なのに、これを買って帰ってきた。


何を考えてこの本を手に取ったのかは覚えてない。
予感みたいなものがあったのかもしれない。


「ウルフガイ」
「バイオレンス・ジャック」
「デビルマン」


トラウマになった作品は
他にもいっぱいあったけれど、
それらの物語が持つ残酷さは、
いつだって俺をチャージしてくれた。
激しい暴力と破壊の描写が
濃厚なエロスの裏返しだってことを、
小学生だった俺は
ちゃんとわかって読んでいたのだ。


腕がちぎれ、首がもげ、
かたっぱしから人が殺されても、
そこで飛び散る赤い血は野蛮な生命力に充ちていた。
だから残酷であればあるほど、
それらの作品世界はとても暖かく懐かしかった。
ダメージを受けた心にはすぐに厚いカサブタができ、
たくましく盛りあがって新しいピンクの肉芽を吹いた。


ショックと一緒に元気をくれる。
漫画って、そういうモンだと思っていた。


だから俺は、
特に警戒することもなく
買ってきた本を開いて読んだ。



岡田さんの漫画は異物だった。



この人の作品につけられた傷、
というより、
空けられた『穴』は、
真っ暗な口を閉じることなく
そのまま俺のオリジンとなった。


「キリコ」で「クリオ」で「フルーツ」で、
そして特に「ルビー・ザ・キッド」で、
女性のキャラクターを描いている時、
岡田さんの作品の影を感じた。




岡田史子さんは三年ほど前、鬼籍に入られてしまった。
プロフィールに関して、ここでは書かない。



上記の本に収録されている作品の中で、


胸をだき首をかしげるヘルマプロディトス

死んでしまった手首〜阿修羅王〜


この二つが特に秀逸なんだけれど、
思いあまってとんでもないことを書いてしまいそうで
危なくって紹介できない。
(引っ張っといてゴメンナサイ)


ただ、
萩尾望都さん、竹宮恵子さん、高野文子さんらに、
多大な影響を与えた方だということだけ
記しておきます。


望み通りに生きる、ということ



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 占星術研究家・松村潔氏の日記に、興味深い下りがあったので、抜粋して貼らせていただきます。(特に転載・使用禁止のコメントがなかったので。問題あるようでしたら、御本人、及び関係者の方、申し訳ありませんが御一報下さい。すぐに削除致します)


 願望実現というのは、ある好ましい思考の結果が、この三次元領域という、非常に狭い視野の空間の中に、入り込んでくるという意味なのです。

 たとえば、お金が欲しいという願望を実現する場合、お金のあるわたし、というイメージが、この三次元空間の中に持ち込まれると良いわけです。お金が欲しいと思っている人が、それでも現実にお金が入らず、願望が実現できないのは、このお金のあるわたしという思考が作り出したイメージが、三次元の中に持ち込まれることを、三次元的なわたしが妨害しています。


 欲しいと言いつつ、入れたくないと言ってるのです。
 それをしてしまうと、いままでの自分が損なわれてしまうと思っています。


 三次元の世界での考え方で、何かお金のあるわたしというのが、今の自分のアイデンティティとぶつかっていて、お金のあるわたしというイメージの優先順位が低くなっていて、後回しになってしまうわけです。
つまり、自分のいままでのありかたが最高であって、それ以外はあまり価値がないと感じているということです。


 疑う人は変えたくないので、願望は実現されない。
 それはその人の望んだように、実現されていないという意味です。


 いずれにしても思っただけで、何か起きてしまう人というのはたくさんいます。
 まさかと疑う人は多いけど、疑う人は、思っただけで何か起きてしまうということを、そうならないように疑うことで頑張って阻止しているということでしょう。



 つまり欲しい人には手に入りにくく、
 あまりこだわっていない人には容易に手に入りやすい。


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B.J.のメスのような

道具の話(その一)。


ペン先。


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筆圧がすごくて、
Gペンのぶっといペン軸を
長時間握り続けていると、
バンドエイド二重巻きでも
痛くて絵が描けなくなる。


なので、
新連載に入る前に
筆記用具を色々試した。



Gペン/除外。使い続けたらマゾになる。
丸ペン/柔らかくて良いが強い線が出ない。すぐヘタる。
スクールペン、カブラペン、その他のペン先/どれも違う。
ミリペン各種/先が潰れる。消しゴムで顔料が消えてしまう。
筆/紙をグリップできない。長時間だと手首をやられる。
デジタル/×。俺にとって絵は物理現実に刻むもの。


迷いました。

で、たどり着いたのがこれ。



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特上品 NIKKO 丸ペン


このペン先は従来のペン先の製造工程後、日本で最高の技術を持つ手製研磨の達人にお願いして作っていただいた工芸品とも言える一品です。本物の職人のこだわりをお試しください。(メーカーサイトのコピーより)


おお・・・


まるでブラックジャックが、
刀の研ぎ師に、
一千万で研いでもらったメスのような!


即注文。



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廉価版の丸ペンの三倍はある耐久力。
紙を鋭くグリップする尖端。なのに抜けがとても良い。
線は極細から極太まで、力加減で自由自在。


何より指が痛くない!


素晴らしい。


絵を描く=痛い、という生理から、
デビュー11年目にして解放されそうです。


今井さん、どうもありがとう。


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2008年8月20日 (水)

後藤繁雄さんの本

 十年以上、手元にあって、再読に耐え抜いてきた本。
 その一。



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 『独特對談』
 後藤繁雄・著



 漫画家になったばかりの頃に手に入れた。


 デザイナー、編集者、大学講師と、様々な顔を持つ後藤繁雄さん。YMOのアルバムジャケットやアラーキーの写真集など、興味深いデザインの仕事を沢山されている方だけれど、それ以上にこの方は、


  『インタビューの達人』


 である。


 言葉を疑う思想家、古美術商を営むカメラマン、「サヨナラ、サヨナラ」の映画評論家、花になりきろうとする華道家、死地から帰還した元ボクサーの俳優、孤独に爆発する芸術家、昆虫学者ファーブルの孫、亡命中の小説家、孤高の三味線弾き、漫画にのめり込む建築家、曲馬団の団長、紀伊の山奥で炭を焼く詩人、荒れ地の詩人、全身芸人、世界を翔る淡路島の左官屋、ショパンを弾く遺伝学者、『記憶』を撮り続ける映像作家・・・。


 新書版の文字数にして一人あたり8ページ。その短い文章の中で、後藤さんは独特の人生を生きる人々と真摯に向き合い、問いかけ、その本質に迫ろうとする。そこには沢山の生きるための『気づき』があって、読み返せば読み返すだけ、キラリと光る欠片が見つかる。



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 『独特老人』
 後藤繁雄・著


 さらに後藤さんは、唯一無二の人生を送ってきた先達たちに会いに行き、己の死を予感しながらなおも新しく咲こうとする『人生の絶景』と対峙する。


森敦(作家)、植谷雄高(作家)、伊福部昭(作曲家)、升田幸三(棋士)、永田耕衣(俳人)、流 政之(彫刻家)、山田風太郎(作家)、悌 明秀(経済哲学者)、淀川長治(映画評論家)、大野一雄(舞踏家)、杉浦明平(作家)、下村寅太郎(哲学者)、杉浦 茂(漫画家)、須田剋太(画家)、安東次男(詩人・俳人)、亀倉雄策(アートディレクター)、細川護貞(文人)、水木しげる(漫画家)、久野収(哲学者)、芹沢光治良(作家)、植田正治(写真家)、堀田善衛(作家)、多田侑史(裏千家執事)、宮川一夫(映画キャメラマン)、中村真一郎(作家)、沼 正三(作家)、吉本隆明(詩人・評論家)、鶴見俊輔(哲学者)


 素晴らしくも凄まじい人達である。


 この本を手に取り、初めて名前を知った方もいれば、大学生の頃、講師としてお会いした方もいる。


 後藤さんという聞き手を通して、これだけの人々と、まるで近所のオモロいじいちゃんと話すがごとくに出会えたことは、漫画家になったばかりの俺にとって、とても幸せな体験だった。


 「彼らは誰かに喋らずにはいられない。たった今見いだした世界の秘密についての発見を、とにかく色あせないうちに、消失しない間に、誰かに話さなければならない。人生は短く、芸術は長い。これが自分だけの思想であるなどという、けちなことは言っておれない。どこの馬の骨ともわからぬ僕に、彼らはびっくりするようなことを言い始める。独特の人は、独走の人でもある」(まえがき「小僧の幸せ」より引用)


 「こんな生き方があったのか」
 「こんな風に生きられるんだ」


 舐めるように読んだ二冊。
 本の形をした宝物である。


2008年8月19日 (火)

へっぽこオーガニック

 濾過した水を使うようになって、米を七分づきに変えたら、野菜がとても美味しくなって、肉が食べたくなくなった。トンカツ・焼肉・ステーキ・唐揚げその他一切の肉料理を、六月の頭から食べていない。
 いっそ米を五分づきにして、マドンナみたく100パーセントのオーガニック生活やったろかい、なんてことを思っていたら、二週間にいっぺんくらい強烈な禁断症状が出て、油モノをガツガツ食べたくなる。


 肉、じゃなくって、油、なのだ。


 舌はもう血の味を受け付けないのに、胃袋が焼けた油の旨味に飢えてしまう。そうなるともう仕事も何も手に着かなくて、薬の切れた中毒患者みたいにウロウロイライラ落ち着かない。


 酒や煙草とは、
 スパッと縁が切れたっていうのに。
 食の『業』ってホントに深い。


 油喰いたい、肉はヤダ・・・
 ああ困った、どうしよう・・・


 で、見つけたのが、コレ。


06052702ebisu

『瞠(みはる)』のラーメン。


 濃厚で苦みのある鰹のスープ。
 コクと旨味のある強い油。
 2センチ幅の巨大シナチク。
 バーナーで灼いて血の味を飛ばしたチャーシュー。
 矢吹丈の右フック(古!)のごとく、
 ドスンとボディに食い込む一杯。


 喰ったら、発作、治まりました。
 今朝の朝食は野菜とおしんこ。
 んー。ヘルシー。


 
 禁断症状出たら、また走ろう。

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(ディザインド 二章 第五話)


2008年8月18日 (月)

連載中の作品

ディザインド

Tragami001

講談社MiChao!にて配信中!
(現在不定期。隔週連載に向けて調整中です)


凶悪犯が占拠する病院へ、単身乗り込んでいく男…
奴の名は虎髪明(トラガミ アキラ)。
無差別射撃を喰らっても、平然とカメラを向ける長身の野獣!
すべてが整理(ディザイン)し尽くされた「世界」という名の戦場・・・その片隅から世界を撃ち抜く男達を描く、野獣派ハード・サスペンス。
二年半の休筆を経て、初期衝動へと回帰した新生・木葉功一が放つ、渾身の最新作。伝説のアクション巨編『キリコ』を凌ぐ衝撃が、本能を直撃する!!

・・・と、いうわけで、どうぞよろしく。



木葉功一の本


フルーツ (IKKI COMICS)フルーツ (IKKI COMICS)

著者:木葉 功一
販売元:小学館
Amazon.co.jpで詳細を確認する


月刊IKKI(小学館)にて、2003年から2006年にかけて不定期に掲載された作品を、一冊にまとめた短編集。女は果実で、毒のように甘くて、それを囓った男達をことごとく死へと誘う・・・という、ものすごくベタな設定で各話読み切り、という話では、実は最初は、なかったです。第一話の『桃』の物語世界を連作ものとして描いて第一巻、「人生の果実を追い求める人々」というテーマで、世界中を舞台にした様々な短編を描いて第二巻、というパラレルなコンセプトで始めた企画が、コンパクトにまとまってこの形になった。落としたアイディアがいくつかあるので、そのうち形にしたいです。


FICTION ZERO/NARRATIVE ZEROFICTION ZERO/NARRATIVE ZERO


著者:古川日出男/東浩紀/小島アジコ

販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


小説書いてみたいなあ、とぼんやり思っていたところ、行きつけのバーで顔見知りの文芸編集者から声をかけられ、短編を一本書けることに。新進気鋭の小説家の方々とともに、ムックに編んでいただけた。スプリンターの中に一人だけ、砲丸投げの選手が混ざってるみたいで、あまりの自分の場違いさに著者欄を見るたび笑ってしまう。イラストは『プラネテス』『ヴィンランド・サガ』の幸村誠氏。贅沢させていただきました。来年あたり、もしかすると、小説の短編集が出る、らしい・・よ。


マリオガン   1  /木葉 功一 [本]マリオガン   1 /木葉 功一 [本]
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
セブンアンドワイ ヤフー店で詳細を確認する

ビッグコミックスピリッツ(小学館)にて2003年の前半に連載。『ルビー・ザ・キッド』の続きを、というオファーがスピの編集部から来て、それではあまりにナニなので、設定を変えてスタートするも、諸般の事情であえなく中断。再開の予定は現在無く、二巻目が出ているというのも誤情報です。非常に忸怩たる思いしかこの作品にはないのだけれど、それでも編集部の御厚意で、アメリカ・ユタ州・モニュメントバレーに行けたことは、俺にとって人生のエポックとなりました。あの土地で吸い込み日本に持ち帰った『何か』は、延髄の奥に食い込んだまま、今でも熱を持っています。


以下、絶版商品。

キリコ 全4巻 木葉功一/作 キリコ 全4巻 木葉功一/作

販売元:まんが大王
楽天市場で詳細を確認する


1998年から1999年にかけて、週刊モーニング(講談社)で連載したデビュー作。映像業界にいた頃、映画用のプロットとして書いていたものを、企画として提出し作品化。オリジナルプロットに台湾編は無かったです。何度か映画化の話がきたものの、形にはならず今に至る。香取真吾さんで遊佐朗、なんて話もありました。



クリオの男 クリオの男


販売元:楽天ダウンロード

楽天市場で詳細を確認する



実は『キリコ』よりも、この作品の方が企画としては先だった。スキンヘッズの大男、天然の美少年と、主人公のキャラが二転三転して、なかなか決まりませんでした。2001年〜2002年に、月刊イブニング(講談社)にて連載。

☆絶版の書籍は、ebookjapan、niftyビットウェイコミックス、Yohoo!コミック等のサイトで、電子書籍として購入できます。

2008年8月17日 (日)

古代魚の夢

20061129

 ポニョに関して、もんやりと思っていたことを、編集家の竹熊健太郎さんが「たけくまメモ」で、とても的確かつ分かりやすい言葉でコメントされていて、


その通り!


と、膝を打つ箇所が多々あった。
 興味のある方はリンクにあるので、行って読んでみてください。メチャクチャ面白い記事です。

 たしかに宮崎監督は、「コナン」でデビューしたその最初から、ストーリーテリングという世間に対する作品の存在証明(「ああなるほど、それならばわかる、理解できる、そうか、自分が感動したのは、そういう仕掛けが物語に仕込まれていたからだったのか、この仕掛けになら人は集まる、お金を出してみてもいい」と、世の中の経済を担うところの『大人の男達』を安心させ、納得させ、お金を出させるための手続きのこと)を、


「あーもーほんっとにめんどくせー」


と心の底から思いながらも、自分の妄想を映像化するため、義務的かつ脅迫的に、己に課してきた方だと思うので、今回の映画はきっと、


「そういう言い訳っぽいこと、全部やめる!俺は俺の中の子供に、もう嘘はつきたくない!」


って感じで、己の中の大人を吹っ切り、「千と千尋」や「ハウル」みたいなカマトトっぽさをかなぐり捨て、リミッターを全開にして、思うさま無意識の濁流を吐き出した作品なのだろう。

 だから、すがすがしいほどに物語が破綻しており、それゆえ、起きて見る『夢』として、とんでもないクオリティに到達している。


 ああいう作品作りができる人は、世界に何人もいないと思う。


(ちなみに、縦に伸びて荒れ狂う黒い大波とか、それが巨大な魚になるとか、嵐が去って水没した町の中をうようよと泳いでいる古代魚の群れ、なんてのは、子供の頃から夢の中で何度も見たことあるイメージだったので、物凄く興奮したよ。デジャブでくらくら目眩がした)


2008年8月16日 (土)

崖の上のポニョ

観てきました。

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大傑作。


これまでのどのジブリ映画とも似ていない。
これまでのどのジブリ映画よりも凶暴で無邪気。

ストーリーの整合性やCGの呪縛から解放された
宮崎監督のむき出しの生理が、
画面いっぱいに炸裂していて、
久々にワクワクしながら映画を観ることができた。

楽しかった。

他の作品では(トトロの時でさえ)
飽きてしまって走り回ったり、
帰りたがってた子供達が、
この映画では最後まで画面に釘付け。
騒ぐ子は一人もいなかった。


凶暴と言えば、今日の暑さ。

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日比谷公園。

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巨大向日葵。

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たくさんいた野良猫たちも、
どこに避難してしまったのか、一匹も見あたらない。


ベンチ横の売店でポカリを買うと、
店のおばちゃんが俺を見て、


『お坊さんですか?』


と、手を合わせつつ、ささやいてきた。
真顔だったのでビックリした。
きっと真夏の太陽を反射して、
スキンヘッドの俺の頭が、強烈に輝いていたからだろう。


漫画家が僧侶に見えるほど、今年の夏は暑いのか?
(なわきゃーない)


夕方から次の原稿に入る。


2008年8月 5日 (火)

外はスコール

叩きつけるような、雨と雷。


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(ディザインド 2章 第4回)

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