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2008年9月

2008年9月26日 (金)

男らしさ/女らしさ



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昼食の後に妻とした話。


女の人は、女っぽくなろうとして、
ものすごく男っぽくなってしまう。


男の人は、男っぽくなろうとして、
とても女っぽくなってしまう。


女らしさの方がマッチョ。
男らしさの方がナイーブ。


だから俺たちは、
異性という鏡に
自分の裏の性別を映し、
それに欲情し、それに憧れ、
それと合体することに「未来」を見ている。


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性のないアメーバですら、
定期的に他のアメーバと合体し、
身体の中身を互いに混ぜ合わせ、
より長く生きられるよう
「未来」を身の内に取り込んでいる。


_________________________________


恋とかオシャレとか自分みがきとか、
女らしさを強調している女性タレントは、
いつまでも結婚しない人が多い。
メスが極まってオスに反転し、
男性を弾いているんだろう。


お笑い芸人を中心に、
売れてる男のバラエティタレントの
未婚率・離婚率が高いのも、
同じ理由だと思う。
(メディアがそういう人達を前面に出すのは、
 スポンサー企業の商売が儲かるから)


陰極まれば陽となり、
陽極まるば陰となる。


女らしさが極まると、ガサツで凶暴なオバサンになり、
男らしさが極まると、ゲイやオカマやニューハーフになる。


しがみつくと荒むし、偏ると化ける。


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なので、
「ゆらぎ」のある方がいい。
女性性も男性性も、自分の中に豊富にあって、
それがつねに「ゆらいで」いる人、
「男」もしくは「女」という
片一方のセクシャリティで武装せず、
ありのままでリラックスしているひとは、
男も女も、色っぽい。


色っぽい方が、未来がある。


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    岡田史子/肩をだき首をかしげるヘルマプロディトス

2008年9月25日 (木)

午後の散歩



昨日の記事を読み返してみた。
あまりにも長文すぎて、
我ながらゲンナリした。

読んでくださった方、ゴメンナサイ。
これからは短めを心がけます。


  * * * * * *


原稿明けの疲れを散らしに、
近所の公園へ散歩に行った。


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ざわざわと風。ひらひらと光。


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後ろから駆けてきて、追い抜いていった女の子。


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何だか今日は、
街がとてもリラックスしている感じ。


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2008年9月24日 (水)

枝の上の猿



一昨日、担当編集者とアイデア出しのブレストをしていて思いつき、でも話しそびれてしまったことを、ちょっとここに書いておきます。


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 人間が人間として覚醒したのは、火や道具を使うことを覚えるよりも遙か以前、森の木の上で暮らしていた頃のことである、という文章を、少し前に読んだ。


 弱肉強食の過酷な地上世界を逃れて、まだ小さな猿の形をしていた俺たちの先祖は、森の木の上に昇って暮らした。必要にせまられて移住したそこは、意外なことに天国だった。彼らを襲って食べようとする天敵が存在しない。何かしら木の実が実っているから食べる物の心配もない。命の危険と食の欠乏から同時に解放された御先祖様は、ものすごくホッとして、木の枝の上でどんどん増えた。増えると群れが大きくなって、必然的にオスザル同士の縄張り争いが発生する。その戦いに負けた者や、障害を持って生まれたがゆえに群れを追われてしまった者は、ボスザルが支配するテリトリーを遠く離れ、森のすみっこの木の上で暮らした。そしてそこで、本能が混濁してしまった(つまり、頭がおかしくなった)。


 自分が生きていられる理由が、わからなくなってしまったのだ。


 過酷な地上世界で、猿のような弱い動物が、群れから離れて生きることは、それだけで死を意味する。弱者は儚く土に還る。それが自然から叩き込まれた絶対的なルールだった。
 なのに今、森の樹の上の豊かな世界で、間違いなく弱者である自分が、喰われることも喰いっぱぐれることもなく、変わらずに生きてここにいる。


 どういうこと?
 一体何が起こっているの?


 対応できないリアリティに襲われて、御先祖様たちの本能は壊れた(本能が壊れた、混濁した、と簡単に書いてしまっているけど、そういう状態のことを正確に言葉で表現するのは、ものすごく難しいと思う、というか、おそらく出来ないだろう。本能が混濁したまま生きているのが、人間にとって、ごくごく普通の状態だから。それでも無理矢理例えて言うなら、パソコンのOSがウィルスに犯されてしまって、デタラメな反応しかしなくなり、放っておくとシステムが完全に壊れてしまう、ヤバい、何とかしなければ、と、パソコン自体が考えて、必死で解決策をさがしている、ありえないことだけれど、そんな感じが近いのかもしれない)。壊れてしまった本能に変わるものなど、彼らの中には存在しない。自分自身の生を、間違いなく未来に向かって導いてくれる拠り所を、猿たちは永遠に失ってしまったのだ。


 その時彼らが感じた恐怖が
 どれほど凄まじいものだったか、
 ホモ・サピエンスとして安定しちゃってる俺たちには
 イメージすることすら不可能だろう。
 怖くて怖くて怖くて怖くて、
 それでも生き残っていくために、
 本能の代わりになりえる「何か」を、
 御先祖様たちは必死に探した。
 探して探して、探しまくって、


 そしてついに「他者」を見つけた。


 それは自分のすぐ隣りにいた。


 「自分だけじゃない。
  こんなに怖い思いをしているのは、
  世界で自分一人じゃないんだ!」



 恐怖が底無しだっただけに、
 その安心感・安堵感は、
 エクスタシー
 と言っていいものだったんじゃないかと思う。


 本能の代わりに
 圧倒的な快楽を与えてくれる
 「他者」を手に入れた猿たちは、
 「共感力」を生きるための支えとし、
 「自分」という副産物を引きずりながら、
 人類へと進化していった・・・。
 
__________________________________


 と、いうわけで、
 進化人類学の世界で
 この話がどういう扱いになっているのか、
 俺は知らないし、興味もない。


 ただ、
 人間の本質を、鋭く突いた話だと思う。


「共感力」を失うと、
 人は「他者」を見失う。
 そうすると「自分」も見失って、
 恐怖に捕らわれた猿に戻る、



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 それを実証するような出来事を、
 毎日のように俺たちは
 テレビのニュースで目撃している。

 
 秋葉原で惨劇を起こした男も子供の命を奪った変質者も親を殺す子供も子を殺す親も小さな動物を殺して撮ってネットに上げたりするバカも掲示板に殺人予告を書き込んで逮捕された大勢のヤツらも、そこに至るまでの経緯や事情こそ違え、基本的には、「恐怖で頭がパンパンになった猿」状態で、罪を犯してたんだと思う。
 だから逮捕され、メディアで晒し者になった連中の顔には、とてもよく似た表情が浮かんでいる。
 抜け殻のようにぐったりと疲れ切った顔の下に透けて見える、



 自分を捕まえ、罪を咎め、罰してくれる「他人」がいた。
 っていうことは、
 「自分」は今、生きて、ここにいるんだ。


 よかった、


 という、安堵の表情。

    *  *  *  *  *  *


 今の日本は資本制民主主義の着ぐるみをピッチリ着込んだ共産国家で、共産主義っていうのは、親子とか家族とか地域性とか民族とかを、もっとも小さな単位にまで解体し、「家畜」として管理できるよう作り替えてしまうってことで、つまり、この国で何となく流されるままに生きていると、「自分は孤独で、ひとりぼっちだ、世の中は何もかもウソくさい、こんな自分に(そして他人に)生きてる価値なんてホントにあるのか?」と思い詰めちゃうところまで、気がつかないうちにずるずると、連れて行かれてしまうってことだ。


死の恐怖を抱いている人は、かならず暴力というものから離れられないし、死の恐怖を抱いていない人を見つけ出すと、自分と同じにしないことには収まらないからです。


で、そういう人は、人は死後も生き残るということを信じている人がいるとしたら、全身全霊でそれを否定しにかかると思います。
「自分は死んだ時に、すべて失われて消える。あなたはそうではないと考えるのは絶対に許さない。あなたも生き残ってはいけない」そういう強制に近いです。


で、この思想は、結果的に、死の恐怖をピークにまで高めてしまう考え方だと思っている。たぶんそういう考え方が広がることと、自殺者が増加したことは連動していると思う。
死の恐怖を抱くと、
時間に迫られて、急がなくてはならないし、
最終的にはすべてつながっているという考えに行き着くことはないので、あらゆるものが孤立していて、だから何をするにしても、すさんでいる。危険な動物のように、ちょっとつつくと噛みつかれます。


構造の投影があらゆることに起こるので、死後はいないということと、個体の外に自分はいないというのは同じで、つまり自分は人に共感することも、また理解することもないということに行き着くです。

       (占星術研究家・松村潔氏の日記より)



人を存在の最小単位まで
切り分けて使おうとする今の社会では、
「恐怖の猿」に先祖返りする人なんか、
いくらだって出てくると思う。


だから、他人と関わる、
たとえ傷つくことになったとしても、
構わず前に出て関わっていく、
少なくともそういう思いを
クサらずに持ち続けていることが、
「猿」に先祖返りしたり
「家畜」にされたりしないために、
最低限必要なことなんだろう。
(本当はこんなの、当たり前のことなんだけれど)


ああこれは
「ディザインド」のテーマのひとつかもしれないな、
と、思ってしまったわけですね。


御先祖様が「他者」を発見したときのエクスタシー。
どんなだったか、すごく気になる。
描けるものなら、描いてみたい。


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2008年9月23日 (火)

TO BE REBORN



漫画家のブログでありながら、
漫画の記事がほとんどない。
自分の漫画にしか興味がないので、
今後もあんまり書く気ないです。


今日は、週末に見た夢の話。


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横浜、のような繁華街。
女の人(常磐貴子によく似た人、と思ったけれど、朝起きて画像検索してみると、ずいぶん印象が違っていた。もっと背が高く、ふくよかで、瞳の色が鳶色だった)と、連れだってバーへ行く。
デヴィッド・リンチの映画の中に出てくるようなバーである。長いカウンターが一直線に闇の中へ消えている。彼女と並んでそこに座る。
厚化粧のばあさんが彼女の隣りの席に座る。俺を見て何かブツブツ言う。俺のことが気にくわないらしい。
店が混んでくる。俺たちは席を詰める(スツールではなく、長椅子のようなものに座っている)。女の人の腿が俺の腿にぴったりくっつく。体温が伝わってくる。肌の匂いにドキドキする。
いいわよねえまったく、みたいなことを、大きな声でばあさんが言う。いつの間にか俺は、黒い学生服を着ている。


女の人とホテルに入る。
彼女について廊下を歩く。
クリーム色の壁に細いグリーンのスリット模様。木製のドアが狭い間隔でずっと奥まで並んでいる。床のリノリウムは血のようにねっとりと暗い赤色だ。
「こっちこっち」と彼女が言う。
俺の手を引き、壁を通り抜ける。
俺たちは部屋の中に入る。
部屋の真ん中にはテーブルがある。その横にバスローブを着た加藤茶が立っている。台本のようなものを真剣に見つめ、声に出して読み上げている。数学(物理学?)の数式を殴り書きした紙が、壁にびっしり貼りつけてある。
「この部屋は違うよ」と俺は言う。
言われて彼女も気づいたらしく、「ごめんなさい、ごめんなさい」と、一生懸命、加藤茶にあやまる(加藤茶は返事をしない。台本を読み上げるのに必死なのだ)。
それから俺の手を引き、ふたたび壁を通り抜ける。


別の部屋。
正しい「俺たちの部屋」である。
作りは前の部屋と同じだけれど、装飾のテイストが全然違う。天井と床はライムグリーンで、壁は真っ黒に塗られていて、太陽と月と星の模様がびっしりと彫り込まれている(エジプトの神殿の装飾文字にとても良く似た印象だ)。


女の人が俺に近づく。


彼女の顔がせまってくる。
胸元が大きく開いている。
唇がゆっくりと動く。
優しい声で何か囁く。


気がつくと、
彼女の姿は消えている。
俺はその部屋を出る。
部屋にはドアがついていなくて、クランク型の通路を抜けると、そのまま廊下につながっている。廊下を歩くと、すぐに裏口の三和土に出る(この時、ホテルは、木造の旅館に変わっている)。引き戸には鍵がかかっていない。


「なんーだ、裏から出入り、自由じゃん」と思う。


三和土の横に小さな部屋がひとつある。俺は部屋の前に立つ。古い障子戸の真ん中に四角い磨りガラスがはまっていて、オレンジ色に光っている。俺はその光をじっと見つめる。そして、消えてしまった女の人が、古くから続く「娼婦」の血族に連なる者であることを知る。俺はその一族の、長い長い歴史に想いを馳せる。彼女の両親、祖父母、曾祖父母の顔をイメージする。


家に帰ると妻がいる(姿は見えない)。
玄関で靴を脱ぎ、下駄箱にしまおうとする。
下駄箱の中には、スライスされた生肉が盛られている。
ホテルの部屋から持ち帰ってきた「みやげ」である。
これを妻にあげよう、と思う。
出前寿司のプラスティック容器を持ってきて、手づかみで肉を移す。
「何の肉?」
 妻の声に俺は答える。
「わかんない。いろんな肉が入ってるよ」
両手で容器を持ちながら、板張りの廊下を静かに歩く。
肉の量が、さっきよりずっと増えている。


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なんというか、
レメディオス・バロの絵の中を、うろついてるみたいな感じだった。
この夢見てから、仕事の進みが早くなったよ。


2008年9月20日 (土)

三代目・千太郎



デカい話ばっかだったので、
今日はささやかな、手元の話。


5年くらい使っていたシャーペンが、
ヘッドの付け根でヘシ折れた。
(丸ペンのペン先を変えずに使い続けていると、
 砕け散ることがたまーにあるけど、
 シャーペンが折れたのはこれが初めて)。


スペアが一本あったはず、
と思って掘り出してみると、
これも壊れているらしく芯がすべって固定しない。


困った。


使っていると存在を忘れてしまうほど、
手になじんでいた道具だったので、
(なじみすぎて、
 ろくに見ないで取り置きするので、
 逆さに持って思い切りノックして、
 何回もペン先を親指に突き刺した。
 ブツッという音を何度聞いたか・・・
 集中しているとよくやります)
他のシャーペンはどれも異物。
どうにもこうにも絵が描けない。


なので、
夜だったけれど
世界堂へ買い出しに。


まだ生産してるかなー、
と、心配だったけど、
あった、あった。
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    Pentel GRAPH 1000 for pro 0.5


好みはあると思うけれど、
これはホントにいいシャーペン。
キリコもクリオもこれで描いた。
軽くて丈夫で使いやすく、
描いても描いても手を痛めない。
重心のバランスが絶妙です。
ぺんてるさん、良い仕事してます。
(1986年にグッドデザイン賞、
 1997年にロングライフデザイン賞を受賞。
 20年以上、デザインが変わっていないなんて、
 知らなかった。驚いた。
 製図用に作られたものだそうだけれど、
 制作者の意図を越えて多くの人達から
 愛され続けてきたのだろう。
 形を変えず、これからもずっと
 作り続けて欲しい筆記具です)


三代目・千太郎、
襲名しました。


コイツもきっと
俺の親指の血を吸うんだろうね。

2008年9月17日 (水)

警告どおり計画どおり



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リーマンブラザーズが倒産した。
メリルリンチがバンク・オブ・アメリカに買収された。
ゴールドマン・サックスの第三・第四半期の決算が70%減益になった。
保険大手のAIGの株が74%下落した。
世界中で同時株安が進行した。


さあ大変、金融不安だ。


でも、それって一体、どういうこと?


「金融不安」とか
「世界恐慌」って、
一言で言ったら何やねん?


という素朴な疑問に対して、
メディアは学者を連れてきて専門用語を並べさせ、
いたずらに不安を煽るばかりで
どこも本質を語らない。


なのでここでシンプルに言ってみる。


何十兆もの負債を抱えて、
世界最大手の証券会社のひとつが潰れた、
ということは、
何十兆ものお金がどこかへ消えて無くなった、
ということで、
つまり、


何十兆ものお金を、どこかの誰かに取られてしまった、


ということだ。
つまり、恐慌というのは、


銀行や証券会社を潰すことで、
そこに預けてある預金と運用資産のみならず、
大衆の財産を動産から不動産にいたるまで
まるごと奪い取ってしまうこと


であり、
ものすごく規模の大きな


詐欺・窃盗行為


なのである。


そうだということを
一般の人々にわからせないよう、
「恐慌」って言葉が使われる。
「地震」「洪水」「台風」といった
どうにもできない自然現象みたいなニュアンスに
言い換えられちゃっているのである。

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FRB(アメリカ連邦準備理事会)議長のバーナンキが、
「今回の金融危機は100年に一度のもの」
と発言しているけれど、
80年前にアメリカで確かに似たような出来事があった。
1929年の世界大恐慌である。


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第二次大戦の原因は、
その数年前にニューヨークで起こった株価の大暴落、
いわゆる世界恐慌にあるのだと言われているが、
この金融クラッシュは経済活動の流れの中で
自然に発生したものではない。


当時、アメリカ金融界のトップにいた人間たちが
投機を煽ってバブルを起こし、
資金供給を絞り込んで株の価格を暴落させた。
それで一般の株主たちがパニックになって、
各地の銀行で取り付け騒ぎが続発、
次々と銀行が倒産し、ドルの価値が急落した。
アメリカ中でインフレの嵐が吹きまくり、
一般の資本家たちは手持ちの動産・不動産を
タダ同然の値段で売りに出さなければならなくなった。


そしてそれを、
株価を暴落させた連中が
二束三文で買い叩いた。


80年前にアメリカ経済を破綻させ、
人々の財産を奪い取り、
それを元手にして第二次大戦の口火を切って、
戦争経済でさらに富を膨れあがらせた連中の
血筋を引いた人間たちが、
今、ウォール街の中枢にいる。
そしてまた、同じようなことをしようとしている。


80年前、恐慌が始まった日のことをアメリカのメディアは
「ブラック・サーズデー(暗黒の木曜日)」と言った。
今、リーマンが倒産した日のことを、
「ブラッド・サンデー(流血の日曜日)」と言っている。
ナメてんのか、ってくらい、良く似ている。


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さらに、崩壊寸前の通貨、ドルの問題。


1929年に世界恐慌が起きるまで、
アメリカにはたくさんの「地方通貨」が存在した。
それぞれの州が、そこでしか使えないお金をベースに
独立した経済を運営していたのだ。
そして、それらと互換性を持つ形で、
統合通貨のドルがあった。
しかし、ニューヨーク発で恐慌が起き、それが沈静化した後、
何百という地方通貨のほとんどが消えて無くなった。
「ドル」に駆逐されてしまったのだ。


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1928年(世界恐慌の前の年)にリサイズされた
現在の1ドル紙幣に印刷されている「世界を見通す目」。
ピラミッドの上に書かれている文字「annuit coeptis」とは、
ラテン語で「神は我らを助く」という意味。
リボンの文字「nuvus ordo seclorum」とは
「新世界秩序」、つまり「new world order」のこと。
「これはNWOを実現するための通貨だよ」ってことが、
グリーンパックの裏にはちゃんと書いてあるのだった。



世界恐慌とともに、
俺たちが知っている「ドル」は生まれた。
そして今、恐慌不安とともに、死を迎えようとしている。
ベクトルは真逆だけれど、進行している事態はそっくりだ。


韓国の国民年金が、
リーマンブラザーズ、AIG、そしてメリルリンチに
総額7千220万ドル(日本円にして約74億円)投資されていたことが判明した。
リーマンブラザーズの破綻によって、
その66%が回収不能と言われている。
韓国の人達が苦しい経済状況の中、
コツコツと貯めてきた48億6千万円の年金が、
顔の見えないどっかの誰かに、取られてしまったわけである。


日本の国民年金とゆうちょに関して、発表はまだ無いけれど、
兆単位のお金が委託運用されていたのは確実なので、
韓国とは比較にならない損失が出ることだろう。


そして、
空売りで株価が暴落したアメリカの大手投資銀行群は、
これから次々と、一般の口座預金銀行を介する形で
FRBの支配下に入ることになると思う。
(80年前、地方銀行と地方通貨を潰して、
 通貨の管理権を自分たちのところに
 集約させたのと手口が一緒)
バンク・オブ・アメリカ
(アメリカ最多の口座数を誇る預金銀行。
 通称バンカメ。FRBの管轄下にある)が、
メリルリンチを救済買収したのは、恐らくその第一手だ。


  ・  ・  ・  ・  ・


金融の世界にバタフライ・エフェクトなんかない。
自然現象じゃないんです。
端から端まで徹底的に、操作され、管理されている。


だから今度のことも、
警告どおり、計画どおり。


これから1〜2年の間に、
アメリカの大手証券会社や保険会社が
たくさん潰れていくと思う。
そのたびにメディアは巨額の資産が
まるで消えて無くなったかのような
報道を繰り返すだろう。
でもそれは見かけ上のこと。


お金は消えて無くなったりしない。
それは流れの果てでプールされる。


ニューヨークの動きだけ見ていたら、
本当のことはわからない。


イギリス王室とベネルクス、そしてスイスを見つめましょう。

2008年9月13日 (土)

おわびです。

ココログフリーのバージョンアップにともない、
送信されたコメントの確認方法が
ちょっと変わってしまっていて、
ここ数日の間、届いていたコメントに
全く気づいていませんでした。


頂いた方、ホントにゴメンなさい。


今後とも、
気軽にコメント入れてやってくださいね。


2008年9月12日 (金)

チバユウスケさん

十年間、手元にあって、再聴に耐え抜いてきた音楽。
その2。


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Thee Michelle Gun Elephant、
rosso、raven、
そしてbirthdayのアルバムを代表して。


ルビー・ザ・キッドの物語を想うとき、
いつもこの人のシャウトが聞こえてくる。


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バイクのエキゾーストとエンジンの咽せるような熱気、
そしてアメリカの赤茶けた荒野と真っ青な空のコントラストを
一瞬で思い起こさせてくれる。


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彼の音楽は、
俺のイメージの起爆剤です。











2008年9月 9日 (火)

今の今のこと・2



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おはよう。
朝です。


ひきつづき、
経済と「今」の話。


本日9月9日と10日が、韓国の短期決済日で、
今日明日中に日本と諸外国に対して借金を払えないと
デフォルトが決定するのでは?
韓国経済の破綻確定か?という話があって、
夜の10時に李大統領が国民に向けて
テレビで緊急説明演説をするそうです。


その内容が、


「10年前と違って今度はキチンと払えました。安心してね」


となるのか、


「我が国は破産しました。みんなゴメン。今度も全部日本が悪いんだ」


となるのかは、夜にならないとわからない。
わからないけど、
現地と取引のある日本の中小企業にとって、
それはとても深刻なことで、
なのに、日本のメディアはそれをほとんど報道せず、
グルジア人の相撲取りが大麻吸ってたことを
ものすごく大きく取り上げている。
パニックをふせぐため、
というのとは全く別の意図があって
シカトしてるとしか思えない。
(関係ないけど、相撲協会は最低である。後輩をシゴキ殺した先輩相撲取りたち数人は、実名すら明かしてないのに、外国人だとたかが大麻程度で記者会見場に引きずり出し、ゴメンナサイ、ユルシテクダサイ、と全国ネットで陳謝させる。中央アジア出身の力士たちに業界ごと助けてもらっているくせに、体面が第一で、守ってやるフリすら見せない。体質の酷さがよくわかった)


で、
外貨準備高はアジア通貨危機のときの20倍はある、
過去最高だ、今回は大丈夫、
と韓国のメディアは言ってるけれど、
実はこの外貨準備高というのは、
外国から借金して作ったお金で、
つまり借金によって借金を返そうとしているわけで、
しかも最大手債権国である日本とはGDPの開きが6倍もあって、
(日本が20兆円貸したら、韓国は120兆円借りたことになる)
さらに韓国って国は10年前、
その外貨準備高を使い込んでいた前科があり、
今回もそうならあまりにも危険だ、と思った外国の投資家たちが
慌てて韓国の市場から引き上げ始めており、
それでウォンが急落してしまったわけで、
これはもうよほどのウルトラCを決めないと、
アウトじゃないかと思ってしまう。


もし
韓国経済が本当に破綻したとして、
日本人の実生活にどんな影響が出るのかは、
俺にはよくわからない。
本当に大騒ぎになるかもしれないし、
日韓通貨スワップ協定以上の金額のお金を
(韓国が経済危機になった時は100億ドルを、
 日本が経済危機になった時は50億ドルを、
 それぞれ助け船として出し合う、という協定。
 でも今の事態だと焼け石に水らしい)
日本がこっそり裏で渡してやって、
それで事無きを得るかもしれない。


どちらであっても、
できるだけ詳しく
俺は「今」のことを知っておきたい。
シロウトなりの頭で理解しておきたい。
何でかっていうと、


人間は視野の外にあるモノに支配され、
いいように操作されてしまう存在


だと、思っているから。


__________________________________________


デビュー当時
(というより、大学を卒業してからずっと)、
俺の金銭感覚は社会人として破綻していた。
その時その時を生きていけるだけのお金が
口座の中にあればいい、
もし困ることがあったって、
いざとなれば何とかならぁ!
という、江戸時代の町人みたいな感覚で
10年以上の長い時間をのほほんと生きてきて、
意識の視野はつねに
「映画を作ること」や「漫画を描くこと」で
一杯になってしまっていた。
なので、お金というものの本質について、
真剣に考えてみたことなど
ただの一度も無かったし、
必要なお金がなかったり
余分なお金があったりする「状況」が、
自分の意思を越えて人生の方向を
決定づけてしまっていることに、
無頓着で無関心でそして無力のままでいた。

人生から排除しているものに、人は足元をすくわれる。
で、その時にきちんと対処しないと、主導権にぎられます。
もうそういうふうにはなりたくないなあ、と思って、
自分なりに経済のことを調べ、
ついでに歴史と政治のことに
興味を持つようになったんだけど、
「おお」とか
「ああ!」とか
「えええ!?」とか
思わされることの連続で、
「目から鱗」状態の毎日が続いていた時期があった。
今はそれも落ち着いて、
漫画(と、ちょこっと小説)に集中する引き籠もり生活に
またしてもドップリ浸かっている。


「関係ない」という状態に意識が眠り込まないよう、
「目から鱗」センサーだけはしっかりと起動させたまま。


バカになってしまわないように。

_________________________________________


たとえ、


経済が壊れても、


政治が壊れても、


国が壊れても、


テロが自作自演でも、


郵政民営化とか三角合併が
日本の資産をすべて外資に売り渡すための政策でも、


日本の年度予算の一般会計80兆円の3倍以上の税金が特別会計として毎年どっかに消えてしまっているとしても、


アメリカを仕切っているのがアメリカ人ではなくっても、


中国を仕切っているのが中国人ではなくっても、


日本を仕切っているのが日本人ではなくっても、


アメリカの中央銀行がアメリカの国営銀行ではなかったとしても、


そこで刷られるドル紙幣が利子をつけてアメリカに貸し出されているものだとしても、


新潟中越地震の前日に地元の建設会社の株が100倍に跳ね上がっていたとしても、


石油の高騰が株価操作で意図的に作り出されたものだとしても、


その目的が崩壊寸前のドルの需要を作り出すため(前回はイラク戦争でそれをやった)だったとしても(石油はドルでないと決済できない。フセインがアメリカに攻められたのは原油をユーロ決済しようとしたため)、


そもそも石油は化石燃料ではなくて(無尽蔵に沸いて出る)マントルの上澄みだったとしても、


二酸化炭素の20倍の温室効果をもつメタンガスが全く規制されていないとしても、


それが白人の食肉産業を守るための措置だったとしても(メタンガスの総排出量の15〜20%が牛のゲップとおならによる)、


そもそも地球温暖化の原因が温室効果だっていうのはウソっぱちで本当の原因は太陽活動の変動にありここ数千年間の気温の変化をみると気温が上昇した結果二酸化炭素が増えているのが科学的に明白なのにしつこくキャンペーンを打ち続けるのはそれが原発建設の利権がからんだ巨大なビジネスだからであり(二酸化炭素を排出しない発電は原子力だけという口実で)中国で今後13年間の間に41基の原発を建設する計画が進められているのだとしても、


イラクで34人の自衛隊員が自殺したり戦死したりしているのにそれをテレビや新聞が一切報道していなくても、


米軍機によって噴霧されているケムトレイル(いつまでも消えずに空に残って雲になっていく飛行機雲)が人体の抵抗力を低下させる有害物質でそれがアメリカ・ヨーロッパ・日本の空で毎日のように行われているとしても、


世界の紛争のほとんどが仕組まれたものだとしても、


NWOがすべての国境をとっぱらい世界を四つの経済圏に分け人間を家畜化するために50年から100年のスパンでセットされた遠大な『政策』だったとしても、


その先鞭としてブッシュがカナダとメキシコの大統領と会談し近い将来両国との国境をとっぱらい巨大なひとつの経済圏にする協定をすでに結んでしまっていてそこでドル崩壊後に使用する新しい通貨(アメロ)もすでに準備されているとしても、


その時までにすでに紙クズ同然のドルを使って限界まで富を吸い上げるために東アジア経済圏が成立してしまわないよう嫌韓流やギョウザ事件や政治家の靖国参拝なんかで中国と韓国と日本の仲が意図的に裂かれてしまっているとしても、


そして、


終戦直後にマッカーサーが「日本人は12才の子供である」と語った言葉の真の意味が「日本人には12才の子供以下のメンタリティしか与えない、成熟も自立も許さない、徹底的に洗脳し、奴隷化して利用する」ということであり、それから60年以上たって、本当に大人から子供まで俺たちはそう作られてしまっていて、そのことに全く気づかずに日々を送っているのだとしても、


そういうことを知った上で、
そういうことを知らなかった時に
やりたかったこと、心動かされたこと、大切に思ったことを、
何一つ失うことなく生きていくために、
「関係ない」と思っていたことを
「関係ある」と思って見つめてみる。

 

作家になれてしまった以上、
持って生まれた資質を
残らず全部使い切り、
貰った分だけ世界に返して、
死ぬことができるように。

そのためのエネルギーを
よく分からない誰かに搾取され、
自分の人生を生きてるつもりで
奴隷や家畜にならないように。


と、いうことで、
韓国の経済に関してどんな報道がなされるか、
今日の夜のテレビのニュースを
じっくり見てみようと思います。


______________________________


23時をすぎても、
韓国大統領のテレビ会見の報道は
どこの局でもやってませんね。
明日のテレ東の株式関連のニュースに
詳細を期待してみます。


______________________________


報道はほとんど無かった様子。
あったとしてもこの程度。

大きな金融操作と政治的な駆け引きが
あったのは確実だと思うのですが・・・

今しばらく
動向を注目していくつもりです。


2008年9月 7日 (日)

monument valley

Image481_3


写真の写真でわかりにくいけど、足もとは崖。
UFOが映ってるのもあったよ。


2008年9月 6日 (土)

今の今のこと

Image478

毎日部屋に籠もりきりで、
漫画ばかり描いているので、
このブログの記事は昔話の比率が高い。
ジイさんみたいで、ちょっとイヤだ。


なので今日は、
今の今のことを、書いてみる。


経済の話。


中国銀行がアメリカの住宅債券を投げ売りし始めましたね。
サブプライム問題という金融市場の大火事に、
ガソリンをブッかけるような行為。
どう考えても世界経済の破綻を
早める意図があるとしか思えない。


ドルが崩壊する、崩壊する、と言われ続けて、
もう数年が経過している。


過去のネットの記事を調べると、
2006年9月が危ない、と書かれていた。
でも、崩壊も世界恐慌も無かった。
今年の秋も危ないと言われている。
(オリンピックの後、つまり今)
そして2010年の上海万博の後も
危ないと言われてる。


反応を見ながら、少しずつ状況進めている。
そんな気がする。
絶対に後戻りできないよう、一手一手、確実に。


「誰が」
と、いうことは、ここでは書かない。
分かる人には分かると思う。


どんなに良い方向に見積もっても、
この国の未来が明るいとは思えない。
外の世界では
キナ臭い出来事が次々に起こってるのに、
大人も子供も携帯やらゲームやら
オモチャをいっぱい押しつけられて
意識の幅が狭くなってる。
ここに一発、経済的なカウンターが入ったら、
みんな反動で言いなりになってしまうだろう。
昭和の初めの空気って、今と良く似てたんじゃないかと思う。



朝目が醒めたらドルが崩壊していて。
韓国は経済破綻で二度目のIMF介入で。
日本も銀行口座にデフォルトかかって。
うわあ、マジかよ。
ホントに、世界恐慌だ。


半笑いで突っ立ったままテレビを見つめる、
そんな「ある日」は、
けっこうな確率でありえると思う。

だから俺は、今、
ユーロや金に変えて財産を保全したりせず、
(そもそもそんな財産ないし、仮にあって保全したって、
 ヨーロッパの金融の玄人に操作されて巻き上げられる)
食料と水とトイレットペーパーの備蓄にも走らず、
毎日毎日淡々と、漫画を描いていこうと思う。


コーカサスの北にルーツを持つ
ハゲタカみたいな浅ましいヤツらに、
国ごと生活基盤をひっくりかえされ
銀行口座がデフォルトされても、
慌てず騒がず嘆かずに、
ペンを原稿の上に走らせていたい。

押しつけられた恐怖に、
しがみついてしまわないこと。
水のようにすり抜けること。


一番いいのは、
何もないこと、なんだけどね。


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2008年9月 3日 (水)

松田優作さん



松田優作 ALIVE -アンビバレンス- 公式海賊盤(仮) <初回限定BOX>/松田優作【エンタメP1206】

佐野さんと同じ時期に
この人にもハマった。
(元春好きで優作好き、って、どのくらいいるんだろう?)


探偵物語 VOL.2/松田優作[DVD]

工藤チャン、マネしました。
それっぽい映画も撮りました。
「蘇る金狼」「野獣死すべし」の長台詞、暗記しました。
大阪阿倍野で「ブラックレイン」が撮影されてると聞いて電車に飛び乗り、ロケ現場に駆けつけたけれど、彼の人の姿は無かった。
(背の低い二人組の外国人が歩道脇の屋台でドル紙幣を燃やしてるシーンの撮影だった。映るのは街角の一角、テレビでよくある狭いフレーム。なのに、巨大なアークライトを道沿いに何台も並べ、使いもしないスモークマシンまで用意するとは、さすがリドリー・スコット、いやハリウッド、乱暴に金を使うと思った。そして、演技をしていた二人の男がマイケル・ダグラスとアンディ・ガルシアだったってことは、映画を見るまで分からなかった。何度も何度もそこを通り、とうとうガンマイクに頭をぶつけた。俺原因のNGカットが絶対にあったと思う。リドリー監督ごめんなさい)


たった一度だけ、
御本人に、ちらっと接触したことがある。


京都の撮影所だった。
大学卒業前の俺は、そこに就職が決まっていて、挨拶に来ていた。紹介してくれた大学の講師の先生が、撮影所の中を案内してくれた。


深作欣二監督が「華の乱」を撮っていた。
そこを見学させてもらった。


スタジオに入って挨拶する。
セッティング中だった。
和室のセットの真ん中に、和服姿の艶やかな女性がいた。
池上季美子さんだった。
キューっと視線が吸い寄せられた。本当に綺麗だった。
三分ほど、お邪魔しただろうか。
先生が撮影が始まるので出ようという。
振り返った。
俺の後ろ、
スタジオの大扉の影の中で、
白い和服を着た大男がゆったりと椅子に座っていた。




目が合った。
固まった。
心臓がバクバク高鳴った。


ほんの数秒だったと思う。
先生に促され、俺はスタジオの外へ出た。
深呼吸した。
胸を撫で降ろしていた。


「優作さん!今書いてるシナリオ、読んでください!」


あと数秒で、
近寄ってそう言うところだった。
シュート前の現場のはりつめたテンションを
ブチ壊しにするところだった。


後で先生にきいたところ、
前日、優作さんはスタッフと軽くモメたらしい。
だから場の空気がピリついていたのだ。
優作さんの態度について
先生はよく思っていない様子だったけれど、
そういうトラブルを起こしがちなところすら、
当時の俺にとっては魅力だった。
うわさ通りだ、と思い、興奮した。



ブラック・レイン デジタル・リマスター版 ジャパン・スペシャル・コレクターズ・エディション

「ブラックレイン」を観たのは、東京だった。


その時俺は、京都の撮影所を離れ、
東京でフリーのADとして働いていた。
使えないADだった。
ミスばかりしていた。
現場で殴られたこともあった。
ダメはダメなりに、必死で仕事にかじりついた。


美術担当の人(だったと記憶している)とスタッフルームで、朝まで酒を飲んでいた時、優作さんの話になった。その人は「探偵物語」で美術を担当していた(と、記憶している)。
色んな話が聞けて楽しかった。


その頃俺は、仕事の合間にオリジナルのシナリオを書いていて、それをプロのシナリオライターの方(名前は伏せます)に見てもらっていた。東映セントラルアーツに縁のある人だった。セントラルアーツと言えば、優作さんが所属している制作会社だ。


近づいてる、と思った。


「松田優作に、俺のシナリオを読んでもらいたい。そして願わくば、優作主演で、それが映画になるといい・・・いや、なるようなものを書く。松田優作とアーツのプロデューサーが、俺の脚本を手にして、誰を監督にするか話し合っている・・・いつかそんな日が来ればいい・・・いいや、絶対に、実現させる!」


脳内ファンタジー炸裂である。
とっても恥ずかしい話だけれど、当時の俺は、本気でそう思っていたんだ。


この現場が終わったら、一ヶ月仕事休んで書きかけのシナリオを完成させよう。そしてそれを先輩のライターさんの所へ持っていこう。「アーツのプロデューサーに渡してもいい」と言われるまで、何十回だって書き直してやる!


ロケバスの中で妄想しながら、バカADは、ふつふつと野望をたぎらせていた。


その仕事が終わる前に、
優作さんは亡くなられた。


11月6日。
現場に向かうために早起きして駆け込んだ小田急線のホームのキオスクのラックに、


「松田優作、死す」


の文字が、大きく躍っていた。


信じられなかった。


しかも病死。


癌。


聞いてねーよ、
っつーか、どういうこと?


つい先月ハリウッド映画の中で、
健もダグラスもガルシアも富三郎も、
他の役者全員、喰いまくってたってのに!


まさに、


「何じゃコリャァ!!」


だった。


冬の朝の光が、まぶしくて目に痛かった。



10年たって、
漫画家になり、
キリコの連載が終了した。
俺は、単行本4冊とワインを持って、
久しぶりにお世話になったシナリオライター氏の事務所を訪ねた。
何年も無沙汰をしていたにもかかわらず、
先輩はとても暖かく迎えてくれた。

「おお、これ、あの時の企画書の話じゃねえか!
 偉いなー、ちゃんと形にしたんだなー」

キリコの単行本をパラパラと繰りながら、その人は喜んでくれた。
(キリコは二十代の初期に、映画のシナリオのプロットとして練っていた企画でした)


さらに数年後、
原案の仕事をさせてもらった「ジャンゴ!(「バンビーノ!」の、せきやてつじ氏デビュー作)」の映画化の企画が持ち上がったことがあって、その脚本の仕事がその先輩のところへ持ち込まれた時(この話もキリコ同様、実現には至らなかった。とても残念)、先輩がわざわざ電話をかけてきて、そのことを俺に知らせてくれた。
そして、話のついでに、こう言った。


「そういえば、この間、セントラルアーツに顔出したとき、プロデューサーの○○さんの机の上に、君の『キリコ』積んであったぞ」



電話を切って、俺はちょっと、泣きそうになった。


ああ、
届いたんだ。


でももう、あの人、いないんだよな。


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漫画のキャラクターを作るとき、
イメージに近い俳優の顔を参考にすることがある。
ボンヤリと抱いているイメージが、人の形、人の顔をして、そのまま歩いてるような俳優さんや女優さん(子役、若手、ベテランを問わず)が、たまにいて、「見つけた、この顔だ!」と思うことが時々あった。


最近はそういうことが全然ない。


見た瞬間、
延髄をわしづかみにされてしまうような、
魂がむき出しになった顔つきの人と
向き合い、目を合わせてみたい。



例えば、松田優作さんのような。


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